本日のベッピン

論理的に考える力を引き出す―親子でできるコミュニケーション・スキルのトレーニング (単行本)
三森 ゆりか (著)

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日本人はこれまで、「阿吽の呼吸」「以心伝心」といったかなり高度なコミュニケーション技術を駆使してきたが、この方法は国際社会では通用しない。自分の考えを言葉で「論理的」に伝えなければ、意思疎通が図られないからだ。しかしながら、その方法は、「相手が理解できるように、筋道を立てて分かりやすく表現する」ことであって、決して難しくないばかりか、親子のコミュニケーションを円滑にしていく上でも極めて有効な方法となる、とつくば言語技術教育研究所所長である著者は説く。
この論理的なコミュニケーション技術は、欧米では「言語技術」「コミュニケーション・スキル」と呼ばれ、トレーニング次第で誰もが身につけられるという。そのためのトレーニング方法を示したのが本書だ。

まず、相手の目を見ないで話していないか、主語を略していないか、曖昧(あいまい)な表現を使っていないかなど、家庭におけるコミュニケーション環境のチェックポイントを示す。その上で、コミュニケーション・スキルを身につけるための具体的な方法として、著者が開発し、子どもたちに実施している「問答ゲーム」を紹介する。これは、質問に的を得た返答を繰り返していくゲームで、“好き”“嫌い”という比較的返答しやすい質問から始まり、その応用や、交渉、議論へとステップアップするトレーニング方法を、問答例を示しながら解説している。家庭で試してみるためにも、手元に置いておきたい1冊。(清水英孝)