本日のベッピン

視聴者が動いた NHKがなくなる
田原 茂行 (著)

出版社 / 著者からの内容紹介
 著者はTBSの企画局長などをへて、常磐大学教授としてマスコミ論を講じ、さらにギャラクシー賞選奨委員をつとめるなど放送の表も裏も知り尽くした人。たとえば、9月9日の朝刊は、NHKが受信料不払い者に対して、放送法にもとづき簡易裁判所をとおして支払いの督促を行うことに前向きの姿勢を示したことを一斉に報じたが、しかし、著者は「それは、不払いへの罰則の有無以前の問題として、この受信料契約の意味を積極的に意義づけ、視聴者がなぜNHKだけに金を納めるのかという根拠を構築してこなかったことのツケといえる」と一刀両断に切り捨てている。受信料支払い問題で悩む人必見の本である。
 NHKの腐敗と堕落の原因として、著者は島桂次会長のときに衛星放送の免許がおり、デフレのもと、NHKのみが大増収となり、番組が一挙にふえて、子会社をたくさん作ったことが、局員と制作の下請け会社の社員との待遇の差を決定的に広げ、ひいてはそれが職員の金銭感覚をマヒさせ、今回のような不正事件が起こる原因となったのだと指摘する。
 また、NHKのみが02年9月17日以前は拉致被害者のことはまったくとりあげなかったという偏向ぶりについても厳しく指摘している。しかしNHKにとって何よりも恐ろしいのは若い試聴者が消えてしまったことだと著者はいう。読み進むにしたがって、NHKの将来が絶望的に思えてくるのだ。

視聴者が動いた 巨大NHKがなくなる

視聴者が動いた 巨大NHKがなくなる

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