本日のベッピン

ビジネスEQ

ダニエル ゴールマン

日経ビジネス
知能指数(IQ)は、長らく人間の知力を測るモノサシとして用いられてきた。ビジネスの世界でも、それを成功の条件として挙げる人は多いが、著者は「IQの成功に対する貢献度は最大でも25%だ」と断言する。いくら頭が切れても、人々から支持されなければ成功できないという。
著者が「IQよりも重視すべき」とするのが「感情知能(EQ)」である。EQとは人に対する気遣いや自己統制力など、これまで性格や人格という言葉で片付けていた能力を測るモノサシのこと。著者はそれを人間の潜在能力として明確に認識しようと主張する。リーダーシップや巧みな政治的駆け引きなどビジネスで成功するために欠かせない機能は、EQによって左右されるという。

EQは教育や学習によって向上させることが可能だ。それだけに、企業は従業員のEQ教育に力を入れ、個人はEQを高める努力をすべきだと著者は結論付ける。性格や人格を正しく把握し、改革するのは容易ではないが、本書はそれを実現するための指針となり得る。


ビジネスEQ―感情コンピテンスを仕事に生かす

ビジネスEQ―感情コンピテンスを仕事に生かす